カフは垂れ込み防止になるか?
- 2009年6月16日 00:00
- 呼吸ケア
さぁ,"タイツ"の時間です![]()
気管チューブのカフは垂れ込み防止になるのか?また,カフ圧を上げれば垂れ込み量が減るのか?この2点が実際どうなのか検証してみました。

今回の『しらべてみ隊』隊員は,H隊員,それからこのミッションを行った日に夜勤デビューしたスーパーローテーターのO隊員だ。O隊員,入隊おめでとう![]()
この実験,結構いろいろなところでされていますので,ご覧になった方も多いかもしれません。実はRSTでも2年前にこの実験をビデオに撮り,当時『口腔ケア』の勉強会で見ていただきました。
今回,O隊員にカフは完全な垂れ込み防止にはならないということを目で見てもらうために,この実験を簡易的に行いました。後で見つかったのですが,当時RSTで撮影した動画をどこに保存したのかわからなくなっていたのです![]()
Mission:02
カフが垂れ込み防止になるのかを調査せよ
検証方法
成人の気管径(太さ)とだいたい同じくらいの20mlディスポシリンジに栓をします。栓には動脈血採取キットのキャップを代用しました。
![]()
ディスポシリンジに8.0の気管チューブを挿入し,カフ圧計にてカフを膨らませます。今回は26cmH2Oと50cmH2Oで行いました。カフを膨らませたところで,分泌物に見立てたステリクロン液をカフ上に流し込みます。
さて,結果は?![]()
結果および結論
まず,適正圧範囲にある26cmH2O。
カフ圧を高めても,カフ上の分泌物がカフ下に流れ込む原因は毛細管現象と言われています。
毛細管現象(もうさいかんげんしょう)とは、細い管状物体の内側の液体が管の中を上昇(場合によっては下降)する現象である。毛管現象とも呼ばれる。
ペンローズドレーンはこの現象を利用したドレーンです。圧差によって液体が細い腔を通り別の空間に流れます。気管チューブのカフの場合は,カフを膨らませた時の圧とシワによって液体をカフ下に導いてしまいます。
最初の実験では,カフ圧 60cmH2Oで26cmH2Oの時より,むしろ速いスピードで落ちていったと書きましたが,この時はもしかしたら,26cmH2Oの時より,シワが多くなったのかもしれません。その時はシワの数や深さまで見ていなかったのです。
この結果から,気管チューブのカフが垂れ込みの完全な防止とはならないこと,そして,カフ圧を上げても必ずしも,その量が減るわけではないことがわかります。まぁ,カフ圧を上げれば落ちるスピードは遅くなることが多いのでしょうが,必ずしもそうとは限らないということですね。
「きゃー!目尻に小じわがっ!」((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
...と驚愕するように,カフのシワに驚愕していただければ,この実験は成功です
もちろん,カフのシワにドモホルンリ○クルなどのたぐいは全く効きません。
結局,何が言いたいかというと,分泌物などの液体はカフ上にあればいつかは落ちる,その速度は液体の粘稠さとカフのシワ次第。
私達に出来ることと言えば,日々のケアの中でカフ上に分泌物が溜まらないようにすること。具体的には口腔に分泌物が溜まった時は吸引,カフ上部吸引ラインがあるのならカフ下に落ちる前に吸引,口腔から気管への誤嚥を予防する姿勢(頸部前屈姿勢)をとるとか。経管栄養の際は逆流しない管理とか。
しかし,垂れ込みをゼロにすることは出来ません。だから,日々の口腔ケアで口腔の清潔を保つことにより垂れ込む分泌物も綺麗にしておくこと。そして,これは人工気道の有無に関わらず大切なことです。
VAP(人工呼吸器関連肺炎)や誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)を完全に防ぐことは難しいかもしれません。それでも,これらの予防には私達が行う日々のケアも重要なのです。
最後に確認。カフ圧の適正圧はいくらでしょうか?そして,それがなぜ適正圧とされるのでしょうか?カフ圧は低すぎても高すぎてもいけません。適正圧以外で管理すると恐ろしいことが起こります。
わからない場合は調べておきましょう。またいつかの機会にエントリーしようと思います。
「実際どうなの?」という事柄を検証する『しらべてみ隊』。何かについて検証してみたいと思ったら誰でも『しらべてみ隊』の隊員です。

H隊員,O隊員,ありがとう![]()
感謝の印に ―
(ノ~ 〓~)ノ ワタシノ アツーイ クチヅケヲ...
遠慮無用(笑)
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